3行まとめ
このテーマをもう少し広げて見るなら、Meta AIグラスの選び方:Ray-Ban Meta、Oakley Meta、Displayで確認すること と Meta AIグラス顔認識の未確認報道:Ray-Ban Meta利用者が確認すること も合わせて確認してください。Display向け開発を始める前に、端末ごとの位置づけと違いを確認できるため。
右レンズ内の表示を開発者が体験設計に使えるようにするDeveloper Previewが案内されました。
Web Appsは軽量な新規体験の試作、DATは既存のiOS/Androidアプリをグラスへ伸ばす経路です。
本体入手性、開発者アクセス、テスター配布、カメラ・音声・位置情報の扱いは公式資料で再確認します。
正式な一般配布ではなく、Developer Previewの範囲で条件を分けて読む段階です。
- Metaは2026年5月14日、Meta Ray-Ban Displayのディスプレイを開発者が使えるようにするDeveloper Previewを案内しました。経路はWeb AppsとMeta Wearables Device Access Toolkitの2つです。
- Web Appsは標準HTML/CSS/JavaScriptで新しい体験をすばやく試す経路、DATは既存のiOS/AndroidアプリをAIグラス側へ伸ばす経路として読むと整理しやすくなります。
- どちらも正式な一般配布と同じではありません。日本での本体入手性、開発者アクセス、テスター配布、カメラ・音声・位置情報の扱いは、試す前に公式資料で再確認が必要です。
Meta Ray-Ban Displayの開発者プレビューは、AIグラスを「Metaの純正機能だけで使う製品」から、「外部の開発者が小さな体験を試せる端末」に近づける動きです。発表そのものは開発者向けですが、影響は開発者だけに閉じません。プロダクト企画、店舗・イベント運用、ヘルスケアやフィットネスの実験、アクセシビリティ支援、メディア制作など、グラス上の短い表示が役立つ場面を考える人にとっても、どこまでが公式に確認済みで、どこから先が試験段階なのかを分けておく価値があります。
本稿はMeta Platformsおよび関係会社とは非提携のMeta Watch Japanによる整理です。確認日は2026年6月5日です。Metaの公式ブログ、Meta Newsroom、公式GitHub READMEを中心に確認し、専門メディアやコミュニティの反応は需要シグナルとして扱います。未確認の国内販売時期や正式公開時期を推測で断定しません。
Meta Ray-Ban Display開発者プレビューで何が変わったのか
- 2025年9月
Meta Neural Bandを同梱する表示付きAIグラスとしてMeta Ray-Ban Displayが発表されました。
- 発売時の公式説明
米国の限定小売、799ドルからの価格、短い操作に向く表示体験が説明されました。
- 2026年5月14日
ディスプレイアクセスをWeb AppsとDATの2経路でDeveloper Previewとして提供すると案内されました。
- いま確認すること
誰が何を検証できるのか、一般配布や国内利用と混同しないように見ます。
変化の中心は、純正機能だけでなく外部開発者が小さな表示体験を試せるようになった点です。
Metaの開発者ブログは、Meta Ray-Ban Displayのディスプレイへのアクセスを、Web AppsとMeta Wearables Device Access Toolkit、略してDATの2経路でDeveloper Previewとして提供すると説明しています。ポイントは、グラスのカメラ、音声、音声入力だけでなく、右レンズ内の表示を開発者が体験設計に使えるようになったことです。
Meta Ray-Ban Displayは2025年9月に発表された、Meta Neural Bandを同梱する表示付きAIグラスです。Meta Newsroomの発表では、メッセージ確認、写真プレビュー、翻訳、Meta AIの視覚的な回答、歩行ナビゲーションなど、短い操作に向く表示体験が紹介されています。発売時の公式説明では、米国の限定小売での販売開始、799ドルからの価格、Meta Neural Band同梱が示されました。
この記事の焦点は、本体そのもののレビューではありません。開発者プレビューによって、誰が何を検証できるようになったのか、そして一般ユーザーや日本の導入担当者が何を期待しすぎないほうがよいのかです。
公式確認済みはディスプレイアクセスと2つの開発経路
根拠として見る公式資料
公式に確認できる範囲では、開発者は2つの道を選べます。
1つ目はWeb Appsです。標準的なHTML、CSS、JavaScriptで作るグラス向けのWebアプリで、Meta Ray-Ban Display上にレンダリングされます。MetaのWeb Apps用GitHub READMEでは、表示領域、D-pad操作、暗い背景、高コントラスト、フォーカス管理など、普通のWebページとは違う設計条件が示されています。
2つ目はDATです。iOSまたはAndroidの既存アプリにSDKを組み込み、AIグラスとの接続、カメラやメディア機能、表示UIなどを扱うための経路です。MetaのiOS/Android向けGitHub READMEでは、SDKとドキュメントへのアクセス、対応AIグラスでのテスト、組織やリリースチャンネルを通じたテストユーザー共有がDeveloper Previewの範囲として説明されています。
ここで重要なのは、2つとも「Developer Preview」であることです。正式なストア公開、全ユーザー向け配布、日本国内での利用保証と同じ意味ではありません。
需要シグナルは試作アプリの可視化
2026年6月1日にTom's Hardwareは、Meta Ray-Ban Display向けに作られたランニングWeb Appの試作例を紹介しました。過去の走行データと競うような表示、コイン獲得、スプリント区間、簡易リーダーボードなど、グラス上の短い表示がフィットネス体験と相性を持ちそうだと感じさせる内容です。
ただし、これは公式ユースケースの発表ではありません。強い需要シグナルではありますが、Metaがそのアプリを正式採用した、一般配布を認めた、市場規模が確定した、という根拠にはなりません。読者が見るべきなのは、話題になった試作の内容そのものよりも、Metaが開発者向けに開いた2つの経路が、どの種類の体験を生みやすいかです。
AIグラスの利用者影響を追う場合は、以前まとめた<a href="https://meta-watch.blog.mo-gmo.com/meta-13-ai-glasses-accessibility/">Meta AIグラスのアクセシビリティ更新</a>も補助線になります。アクセシビリティ、表示、音声、手首入力は別々の話に見えて、実際には同じ「短い操作で情報へ届く」体験につながります。
Web Appsで確認すること
- 1標準Web技術で作る
HTML/CSS/JavaScriptの知識を使い、まず小さな体験仮説を形にします。
- 2短い表示に削る
600x600pxのビュー、D-pad操作、暗い背景、高コントラスト要素を前提に情報量を絞ります。
- 3グラスへ追加する
公開URLを使い、右レンズ内で読み取れる情報として確認します。
- 4実機で迷いを探す
1回の視線移動で分かるか、手首のジェスチャーだけで選べるかを見ます。
モバイルWebの縮小版ではなく、歩きながら短く確認する表示環境として設計します。
Web Appsは、まず仮説を小さく動かすための経路です。標準Web技術で作れるため、Web開発者が既存の知識を使いやすく、AIコーディング支援とも相性がよい設計になっています。MetaのWeb Apps READMEも、Claude Code、Codex、Cursor、GitHub Copilot向けのプラグインやテンプレートを用意していることを示しています。
一方で、普通のWebアプリをそのまま小さくしたものと見ると誤解が出ます。Meta Ray-Ban DisplayのWeb Appsは、右レンズ内に短時間で読み取れる情報を出す体験です。画面を長く眺める前提、細かいフォーム入力、複雑な階層ナビゲーション、常時表示のダッシュボードは相性が悪くなりやすいでしょう。
標準Web技術で作れるが、普通のWebアプリとは違う
小さな表示とD-pad操作を条件にする
Web AppsのREADMEには、600x600pxのビュー、D-padナビゲーション、暗い背景、高コントラスト要素、フォーカス可能な要素の管理といった設計制約が並びます。これは、モバイルWebやデスクトップWebの縮小版ではなく、手首のジェスチャーで短い選択をする表示環境として考えるべきだということです。
開発者や企画担当者は、最初に機能の多さではなく、1回の視線移動で何が分かるかを確認したほうがよいです。ランニングなら距離、ペース、次の曲がり角、短いフィードバック。料理なら次の手順だけ。イベント運用なら次の受付番号や移動先だけ。情報量を絞れないアイデアは、Web Appsに向いていない可能性があります。
評価基準は次のように置けます。
| 確認すること | Web Appsで見るポイント | 見落とすと困ること |
|---|---|---|
| 視認性 | 小さな表示で読める文字量か | 情報を詰め込みすぎる |
| 操作 | D-pad中心で迷わないか | タップや細かな入力を前提にする |
| 利用時間 | 数秒で用件が終わるか | 長時間表示を前提にする |
| 状況 | 屋外、移動中、会話中でも邪魔にならないか | 手元の端末と同じUIを持ち込む |
| データ | 位置情報や行動ログを扱う理由が明確か | 試作だからと保存範囲を曖昧にする |
早い試作に向くが、配布とセキュリティは別問題
URL共有と試作データを分ける
Metaの開発者ブログは、Developer Preview中でもWeb Appsをパスワード保護URLで共有できると説明しています。GitHub README側では、Meta AIアプリ経由でWeb Appを追加する手順や、QRコードを使う導線も示されています。
ここで分けるべきは、作れることと、安全に配れることです。たとえばフィットネス試作でGPXファイル、位置情報、ペース、心拍などを扱う場合、グラス上に表示する情報だけでなく、データの読み込み元、保存先、共有範囲、テスターの同意まで決める必要があります。Web Appsはすばやく試せるからこそ、試作データの扱いが雑になりやすい部分でもあります。
企業やチームで試すなら、最低でも次の項目を決めてからテスターに渡したいところです。
- テスターが誰で、どこまでの機能を見られるのか
- URLは公開検索に拾われない設定か、パスワード保護があるか
- 位置情報、カメラ、音声、行動ログを扱う場合、何を保存するのか
- テスト終了後にデータを消す手順があるか
- 公式ドキュメントの更新で動作や条件が変わったとき、誰が再確認するのか
「動くWeb Appができた」だけでは、導入判断にはまだ足りません。グラスという身につける端末では、データの扱いと周囲への説明が、体験設計の一部になります。
DATで確認すること
DATは既存アプリに組み込む分、体験だけでなく運用とデータの確認も重くなります。
DATは、既存のiOS/AndroidアプリをMetaのAIグラスとつなぐための経路です。Web Appsが新しい軽量体験を作る入口だとすれば、DATは既存のモバイルアプリにグラスのカメラ、音声、表示、デバイス接続を足していく入口です。
MetaのiOS/Android向けGitHub READMEは、DATがDeveloper Previewであり、SDKとドキュメントにアクセスし、対応AIグラスでテストし、組織やリリースチャンネルを使ってテストユーザーへ共有できると説明しています。iOSではSwift Package Manager、AndroidではGradleやGitHub Packagesに関する導入項目が出てきます。
既存アプリをグラス表示へ伸ばす経路
SDK導入と実機テストを確認する
既存アプリの資産を持つチームにとって、DATの魅力は、ユーザーがすでに使っているモバイルアプリの文脈をグラスへ伸ばせる点です。たとえば運動記録、現場作業支援、アクセシビリティ支援、遠隔サポート、ライブ配信補助などは、アプリ側の認証やデータ管理を保ったまま、グラス側に短い表示や入力を加える形を考えやすくなります。
ただし、DATはWeb Appsよりも確認項目が多くなります。SDK導入、対応OS、権限、デバイス接続、Developer Center、リリースチャンネル、テスター管理、利用規約、データ収集設定。既存アプリに組み込むからこそ、実験の影響範囲も広がります。
| 観点 | iOS/Android DATで見ること | Web Appsとの違い |
|---|---|---|
| 対象 | 既存モバイルアプリの拡張 | 新規の軽量体験を作りやすい |
| 導入 | SDK、アプリ設定、ビルド設定が必要 | URL配布中心で試しやすい |
| デバイス連携 | カメラ、音声、表示など深い連携を検討しやすい | 表示と軽い入力中心で考える |
| 配布 | リリースチャンネルとテスター管理を確認 | パスワード保護URLの確認が中心 |
| リスク | アプリ本体の権限、規約、分析設定に影響 | URL管理とWeb側データ管理に注意 |
リリースチャンネルとテスター管理が重要になる
テスターと規約を別々に見る
Metaの開発者ブログは、DATのビルドをリリースチャンネルで最大100人のテスターに共有できると説明しています。これは実験には十分な規模に見えますが、一般公開とは別物です。小さなテスター群で検証し、フィードバックやバグ報告を集める段階として読むべきです。
DATのGitHub READMEには、Developer Terms、Acceptable Use Policy、Metaデバイスとアプリの通信に関する情報の取り扱い、分析データのオプトアウト設定も出てきます。開発チームはSDKが動くかだけでなく、テスターがどの規約に同意するのか、アプリ側のプライバシーポリシーに何を追記する必要があるのか、分析データをどう扱うのかを確認する必要があります。
Metaアカウントや複数デバイスの前提は、<a href="https://meta-watch.blog.mo-gmo.com/meta-19-meta-account-login-settings/">Meta Accountのログイン統合</a>の記事でも整理しています。AIグラス、Quest、Facebook、Instagramをまたぐ機能では、アプリ単体ではなくアカウントとデバイスの関係も確認対象になります。
Web AppsとDATはどう選ぶか
小さな表示で伝わるか、D-pad操作だけで迷わないかを見るならWeb Appsが自然です。
認証済みの会員情報、データ同期、複雑なセンサー連携が本質ならDATを先に見ます。
機能の多さではなく、実装前に潰したい問いが軽い体験仮説なのか既存アプリ連携なのかで判断します。
どちらを選ぶ場合も、グラス上では次の数秒に必要な情報まで削れるかが重要です。
Web AppsとDATは、優劣で選ぶものではありません。最初の検証目的で選ぶものです。新しい体験の形を短期間で試したいならWeb Appsが向きます。既存アプリの文脈、認証、データ、デバイス連携を活かしたいならDATを先に見たほうが自然です。
新規体験の仮説検証ならWeb Appsを先に見る
次の数秒に必要な情報かを見る
Web Appsは、企画の荒さを早く見つけるのに向いています。小さな表示で伝わるか。D-pad操作だけで迷わないか。ユーザーが歩きながら、話しながら、何かをしながらでも使えるか。こうした問いは、実装を重くする前に検証したほうがよいです。
たとえば、ランニング中に表示する情報を作るなら、速度グラフや履歴一覧ではなく、次の数秒に必要な1つか2つの情報に削る必要があります。料理中なら、材料リスト全部ではなく次の動作だけ。イベント会場なら、地図全体ではなく次の案内先だけ。Web Appsは、その削り込みが成立するかを早く見るための場所です。
反対に、認証済みの会員情報、決済、複雑なセンサー連携、既存アプリとの双方向同期が本質なら、Web Appsだけでは足りない可能性があります。試作はできても、実運用に近づくほどDATやモバイルアプリ側の設計が必要になります。
既存アプリや深いデバイス連携ならDATを先に見る
DATは、すでにアプリがあり、ユーザー、データ、権限、通知、サポートの流れがあるチーム向けです。グラスの表示を単独体験として作るのではなく、既存アプリの一部として扱います。
ただし、DATを選ぶと確認作業は増えます。SDKのバージョン、OSごとの実装、Developer Centerの設定、テスター配布、規約、分析データの扱い、実機の接続安定性。これらを吸収できるチームでなければ、最初からDATに寄せすぎると、体験の仮説よりも開発環境の整備に時間を取られます。
目安は単純です。
- 1週間で体験の形を見たいならWeb Appsから始める
- 既存アプリのユーザー体験を伸ばしたいならDATを調べる
- カメラ、音声、位置情報、行動ログを扱うなら、どちらでもデータ設計を先に決める
- テスター配布が必要なら、Developer Previewの条件を公式資料で再確認する
- 日本の利用者向けに案内するなら、本体の提供地域とサポート条件を分けて書く
まだ試験段階として確認すべき制限
Developer Previewは早期に学ぶための段階であり、一般ユーザー向けの正式提供とは切り分けて読みます。
今回の発表で期待値が上がる一方、読者が最も誤解しやすいのもここです。Developer Previewは、開発者が早期に試せる段階です。公式資料にあるからといって、誰でも同じ条件で参加できる、一般ユーザーに配れる、日本で本体を買ってすぐ試せる、とは限りません。
提供地域と実機アクセスは本文時点の確認対象
地域と入手性を分ける
Meta NewsroomのMeta Ray-Ban Display発表では、米国の限定小売での販売、799ドルからの価格、Meta Neural Band同梱、カナダ、フランス、イタリア、英国への拡大予定が説明されています。一方、日本国内での販売開始や、国内開発者が同じ条件でDeveloper Previewを利用できるかについては、本稿執筆時点でこの記事から断定しません。
日本の読者にとっては、ここが重要です。海外の開発者がWeb Appを動かしている映像を見ると、すぐに自分のチームでも試せるように見えます。しかし実機、Meta AIアプリ、開発者アカウント、地域、対応デバイス、テスター配布の条件がそろわなければ、同じ検証はできません。
国内導入を検討する人は、少なくとも次を分けてください。
| 確認項目 | 公式に確認する場所 | 判断の仕方 |
|---|---|---|
| 本体の入手性 | Meta Store、Meta Newsroom | 日本提供の有無を米国情報から推測しない |
| Developer Preview参加条件 | Meta Developers、Wearables Developer Center | ログイン後の条件や地域制限を確認する |
| テスター配布 | Meta開発者ブログ、GitHub README | Web AppsとDATで共有方法が違う |
| サポート | Metaのヘルプ、開発者コミュニティ | 試験段階の不具合対応範囲を見る |
| 規約 | Developer Terms、Acceptable Use Policy | データと利用目的に影響する |
Developer Previewは仕様変更リスク込みで読む
更新されやすい場所を押さえる
Developer Previewでは、SDK、ドキュメント、配布条件、サンプル、対応デバイスが変わる可能性があります。GitHub READMEやCHANGELOG、Meta Developers Blogの追記、Wearables Developer Centerの更新を追う必要があります。
特に、Web AppsのURL追加方法、DATのリリースチャンネル、テスター上限、分析データ設定、対応AIグラスの範囲は、実験計画に直結します。記事やSNS投稿を見て仕様を覚えるより、公式ドキュメントとGitHub READMEを毎回開くほうが安全です。
このサイトの<a href="https://meta-watch.blog.mo-gmo.com/monthly-topics-2026-06/">2026年6月の重要トピックまとめ</a>でも、Metaの公式発表、製品更新、噂や未確認情報を月次で追っています。Developer Previewの続報が出た場合も、公式資料で確認できる内容と、コミュニティ上の試作例を分けて追う方針です。
試す前のチェックリスト
グラスは周囲の人の情報にも近い端末なので、動作確認より先に保存範囲と停止方法を決めます。
Meta Ray-Ban Display向けの開発を試す前に、技術より先に確認したいことがあります。特に、グラスはカメラ、音声、位置、周囲の人の映り込みと近い端末です。動作確認の前に、誰に何を見せ、何を保存し、どう止められるのかを決めておく必要があります。
アカウント、デバイス、ドキュメントの確認
入口を先にそろえる
まずは開発者としての入口を確認します。Wearables Developer Centerへのアクセス、Meta AIアプリ、Metaアカウント、対応デバイス、GitHub README、Developer Terms、リリースチャンネルの条件です。ログインが必要なドキュメントは、外から見える記事だけで判断しないほうがよいです。
開発チーム向けの確認表は、次のように置けます。
| 確認すること | Web Apps | DAT | 見落とすと困ること |
|---|---|---|---|
| 入口 | GitHub README、Web Apps docs、Meta AIアプリ | iOS/Android README、Developer Center | 参加条件やログイン後の制限 |
| デバイス | Meta Ray-Ban Display実機 | 対応AIグラスと実機 | 本体がなくて最終確認できない |
| 配布 | URL、パスワード、QRやMeta AIアプリ導線 | リリースチャンネル、最大100テスター | 一般公開と誤解する |
| 操作 | D-pad、短い表示、フォーカス | アプリUIとグラス表示の役割分担 | 操作が複雑になる |
| 更新 | GitHub README、公式ブログ | SDK、CHANGELOG、Terms | Preview中の変更を見落とす |
試作データとプライバシーの確認
保存と停止を説明できるかを見る
次に、試作で扱うデータを確認します。Web AppsでもDATでも、位置情報、カメラ、音声、画像、動画、GPX、ローカルストレージ、分析データを扱う可能性があります。特にDATのREADMEは、Metaデバイスとアプリの通信に関する情報や、分析データのオプトアウト設定にも触れています。
最初のテストでも、次の問いには答えられる状態にしておきたいです。
- テスターは何に同意しているのか
- 位置情報やカメラ映像は端末内だけで使うのか、外部に送るのか
- ログや分析データは誰が見られるのか
- テスト終了後、テスターは接続やデータを消せるのか
- 周囲の人が映る可能性がある場面で、どう説明するのか
- 社内検証の場合、セキュリティ審査や法務確認が必要か
AIグラスの試作では、「見える」「聞こえる」「記録できる」ことが価値になります。同時に、それがリスクにもなります。便利なデモほど、データの境界を先に決めておくべきです。
まとめ: 公式確認済みと未確認を分けて追う
Meta Ray-Ban Displayのディスプレイアクセスは、Web AppsとDATの2経路でDeveloper Previewとして案内されています。
開発者が早期に学び、試し、フィードバックを返せる段階であり、正式な一般配布とは別です。
提供地域、日本向け販売、参加条件、SDK更新、正式配布の有無、事例の増加を継続して確認します。
すぐに一般ユーザー向けサービスを出せるかではなく、何を公式に確認できたかを軸に追います。
Meta Ray-Ban DisplayのDeveloper Previewは、AIグラスがアプリ開発の対象になり始めたことを示す重要な更新です。Web AppsとDATという2経路が出たことで、軽い試作と既存アプリ拡張を分けて考えやすくなりました。
ただし、現時点で読者が持ち帰るべき結論は、すぐに一般ユーザー向けサービスを出せる、ではありません。正しくは、Developer Previewの範囲で開発者が早期に学び、試し、フィードバックを返せる段階に入った、です。
公式確認済みとして書けること
公式一次情報に戻る
公式一次情報から確認できる主な点は次の通りです。
- Metaは2026年5月14日に、Meta Ray-Ban DisplayのディスプレイアクセスをDeveloper Previewとして案内した
- 開発経路はWeb AppsとMeta Wearables Device Access Toolkitの2つ
- Web Appsは標準HTML/CSS/JavaScriptで作るグラス向けWebアプリ
- DATはiOS/AndroidアプリをMetaのAIグラスとつなぐSDK経路
- Developer Preview中、Web Appsはパスワード保護URL、DATはリリースチャンネルと最大100テスターの共有が説明されている
- Meta Ray-Ban Display本体は2025年9月発表の表示付きAIグラスで、米国の限定小売での販売開始と799ドルからの価格が公式発表に含まれる
次に更新を追うこと
条件の変化を追う
次に見るべきなのは、正式公開の時期よりも、条件の変化です。対応地域、日本向け販売、Developer Previewの参加条件、SDKバージョン、Web Appsの追加導線、DATのテスター配布、利用規約、データ設定。ここが変わると、開発者だけでなく、導入企業や一般ユーザーへの説明も変わります。
試作記事やコミュニティの動画は、何が作れそうかを想像する材料として有用です。ただし、最終的な根拠はMetaの公式ブログ、開発者ドキュメント、GitHub README、製品ページに戻す。AIグラスのように期待が膨らみやすい領域ほど、この線引きが効きます。
更新履歴
- 2026年6月5日
Meta Developers Blog、Meta Newsroom、Meta公式GitHub README、需要シグナルを確認して初稿を作成しました。
Developer Previewの条件は変わる可能性があるため、更新時は公式資料を再確認します。
- 2026年6月5日: Meta Developers Blog、Meta Newsroom、Meta公式GitHub README、Tom's Hardwareの需要シグナルを確認して初稿を作成。
Meta Platformsの公式発表、製品更新、噂確認を継続して追う場合は、<a href="https://meta-watch.blog.mo-gmo.com/newsletter/">ニュースレター</a>で更新通知を受け取れます。一次情報と二次情報の分け方を確認したい場合は、<a href="https://meta-watch.blog.mo-gmo.com/source-checks/">資料・確認ログ</a>も参照できます。
次に読むなら
参照した主な情報源
- Meta Developers Blog, "The wait is over: Build for display glasses starting today"(2026年5月14日確認、2026年6月5日再確認)
https://developers.meta.com/blog/build-for-display-glasses/
- Meta Newsroom, "Meta Ray-Ban Display: AI Glasses With an EMG Wristband"(2025年9月17日公開、9月30日更新、2026年6月5日確認)
Meta Ray-Ban Display: AI Glasses With an EMG Wristband
- GitHub, facebook/meta-wearables-dat-ios README(2026年6月5日確認)
https://github.com/facebook/meta-wearables-dat-ios
- GitHub, facebook/meta-wearables-dat-android README(2026年6月5日確認)
https://github.com/facebook/meta-wearables-dat-android
- GitHub, facebookincubator/meta-wearables-webapp README(2026年6月5日確認)
https://github.com/facebookincubator/meta-wearables-webapp
- Tom's Hardware, "Resourceful runner 'can race my own ghost' using homemade Meta Ray-Ban Display app"(2026年6月1日公開、需要シグナルとして確認)
https://www.tomshardware.com/peripherals/wearable-tech/resourceful-runner-can-race-my-own-ghost-using-homemade-meta-ray-ban-display-app-also-adds-bonus-coins-mini-leaderboard-and-more
